厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 フィリップ モリス ジャパン株式会社 コーポレート・アフェアーズ ディレクター ピーター ニクソン
2005年11月08日
おはようございます。フィリップモリス ジャパン株式会社コーポレートアフェアーズ、ディレクターのピーター・ニクソンと申します。私は責任分野のひとつとして、財政政策ならびに規制関連の渉外活動を統括しており、今回のように、重要な公的機関において社を代表して意見を述べさせていただく役割も担っております。
弊社につきましてよくご存知でない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に説明させていただきます。フィリップモリス ジャパンは、フィリップ モリス インターナショナルの日本における子会社です。当社製品には、マールボロ、ラーク、パーラメント、フィリップ・モリス、バージニア・スリムなどがあります。現在、日本においては第2位のたばこ会社であり、市場シェアは約24%となっております。
さて、本日は、たばこ問題および日本におけるたばこ業界への規制に関し、フィリップモリスの見解を皆様方と共有できる機会をいただき、誠にありがとうございます。
この機会をお借りして、私どもが、公衆衛生当局と共通した基盤を持つと考えられるいくつかの点についてご説明いたしたいと考えております。
私どもフィリップ モリスは、たばこが公衆衛生上、大きな問題となっていることを認識しております。喫煙は、がんならびに肺気腫、心臓病などの重大な病気を引き起こし、依存性があります。
すべてのたばこ製品の製造、販売、価格、流通ならびにマーケティングの方法を規定する規制上の枠組みを築き上げることは重要なことであります。
包括的な規制上の枠組みにより、たばこ使用の削減を含む、重要な公衆衛生上の目的を達成することができると考えております。包括的な規制はまた、たばこ業界で必要とされる安定性ならびに事業の予測可能性をもたらすことから、たばこ会社にとっても資するものであると考えます。
たばこ規制枠組み条約が発効したことを考慮しますと、現在こそ、たばこ関連政策および規制に新たなアプローチを採用されるよい機会ではないかと考えます。
この政策を形成していくうえで、私どもにも果たせる役割があると考えております。
社会はたばこ会社に、たばこ製品について人々が抱いている当然の懸念に取り組むよう期待しています。人々はたばこ会社に、喫煙の健康への影響について常に情報を提供すること、また未成年者喫煙防止の取り組みにおいてその役割を果たすこと、そしてより害の少ない製品開発に向けて努力することを期待しています。
私どもフィリップ モリスは、このような懸念を理解し、当社製品に関するさまざまな問題に責任を持って取り組んでいく所存です。そうすることでこそ、私どもが事業を継続していく権利を維持できると考えております。
厚生科学審議会では、国民の健康増進を目指して活動されており、この一環として、喫煙による健康への悪影響を低減していく意図を述べられております。
現在まで討議されている取り組みには、次の4点があると理解しております。
1. 喫煙のリスクについてひとびとの意識を高める
2. 喫煙者に禁煙を促し、それを支援する
3. 未成年者喫煙をなくす
4. 公共の場・職場での分煙の徹底、効果的な分煙についての知識の普及
フィリップ モリス ジャパンは、このような取り組みは重要であると考えておりますし、これら問題について貴審議会と協調して取り組んでいくことを希望しております。また私どもの参加がその目的達成に向けてお役に立てるのではないかと考えております。これから、各問題につきまして私どもの見解を述べさせていただきます。
まずたばこ問題に関する人々の意識を高めることについてですが、喫煙に関連するすべての事柄は、一貫した公衆衛生上のメッセージに基づいて決断されるべきであると考えております。誰もが、喫煙は病気を引き起こし依存性があるという事実を含めた、たばこ消費のリスクについて常に知らされる必要があります。
たばこ製品のパッケージにおいて記載される注意文言は明瞭であるべきですし、またその内容については政府が決定されるべきことと考えます。
禁煙に関しまして、政府は、喫煙者に禁煙を促しそれを支援するべきと考えます。先ほど申し上げましたとおり、たばこ使用は依存性があり、喫煙の健康リスクに懸念がある方にとって唯一の方法は禁煙するか、はじめから喫煙しないことである、と明確に伝えられるべきです。また人々は「安全な」たばこというものはない、ということを十分に知らされておくべきと考えます。
貴審議会は禁煙希望者に禁煙支援を行うプログラムの策定を推進されています。喫煙者はそのようなプログラムを知り、また利用できるようにするべきです。私どもフィリップモリスも、禁煙を希望し情報やサポートを求めておられる方々に、ウェブサイトで情報を提供しています。
次に、未成年者喫煙の問題についてお話します。ここでひとつ明確にさせてください。私どもは、子どもに喫煙してほしくありません。また子どもに喫煙してもらうことを必要としません。子どもに喫煙をやめさせるのは正しいことです。
この問題は複雑であり、個人や一組織で解決できる問題ではありません。これからお話しさせていただくような方法で、私どもは問題解決に貢献できると考えており、また私どもはそうするべきであり、実際に取り組んでいるところであります。これは、私どもが長期にわたりたばこ事業を継続していくために行わなければならないことなのです。そして、弊社の社員、株主、規制当局、成人喫煙者、社会全般から期待されていることです。
フィリップ モリスは、日本を含むおよそ70カ国で未成年者喫煙防止のプログラムを展開しています。その活動は、子どもたちに対してたばこを販売させない法律の施行など子どものたばこ購入を防ぐことと、子どもたちに喫煙しないと決断させるための教育をすることに主眼を置いています。
しかしながら、未成年者喫煙は簡単に解決できない問題であることも認識しております。厚生労働省が2000年に発表した調査によると、この問題は依然として大きいものであり、たとえば高校3年生男子の37%がたばこを吸っているという結果が出ています。
この問題を解決していくためには、たばこ会社、保護者、公衆衛生機関、販売店、規制当局、教育者、法執行機関など多くのステークホルダーによる総体的なアプローチを必要とします。私どもは、未成年者の喫煙は非常に深刻な問題だと受けとめており、貴審議会と協力して、現在行われている活動と合わせて効果的な解決策を作り上げてまいりたいと思っております。
未成年者へのたばこ製品販売を禁止する法律で非常に重要なことは、法の実効性と制裁措置です。
それ相当の罰金が課せられ、度重なる違反にはたばこ製品販売のライセンスを失うこともあるということを販売店が理解すれば法令順守は強化されることになるでしょう。
これに関連して、日本では自動販売機の利用が広範に普及しています。自動販売機はたばこ製品販売総数のかなりの部分を占めており、実際、未成年者のたばこ購入の70%以上が自動販売機を利用してのものであると推定されています。
私どもは、この問題に対処する、規制を含む措置を支持しておりますが、自動販売機の利用を完全に禁止すべきであるとは考えておりません。
現在、業界全体で解決策となる技術を開発し、未成年者が自動販売機からたばこを購入できなくするよう取り組んでおり、2008年には日本全国で展開される予定です。
それと並行して、2008年の前に、自動販売機のあるすべての販売店にこの解決策への参加を義務付ける規制が策定されることを強く支持します。
しかし、残りの30%は店頭でたばこを購入していることを見逃すべきではありません。自動販売機での購入ができなくなれば、店頭で購入する未成年者が増える可能性もあります。ですから、この問題への対応には、法律を強化し、店頭販売を管轄する法律ならびにその実効性を強化することによる包括的なアプローチが必要とされます。
次に、公共の場での喫煙規制についてお話させていただきます。
私どもは公共の場での喫煙は制限されるべきだと考えていますし、全面禁煙が適切なケースも多々あると考えております。
公衆衛生機関は、環境中たばこ煙が非喫煙者に、肺がんや心臓病を含む病気を引き起こすと結論づけています。政府、各事業者、また人々はこの見解を踏まえて公共の場での喫煙に関連した決定をすべきだと考えます。
病院、学校また子ども向けの施設において喫煙は禁止されるべきです。そのような制限が採用される場所では、その制限は実効的であり、また人々にその制限や違反に対する罰則を知らせる表示が掲示されるべきと考えます。
同時に、このような規制では、非喫煙者と喫煙者とのバランスが取られるべきだと考えます。非喫煙者が環境中たばこ煙に曝されずにすむこと、そしてバー、ホテル、レストラン、ナイトクラブといったあるタイプの接客業が喫煙者にサービスを提供できるようにすることとのバランスが取られるべきだと考えます。喫煙が許可される場所では、環境中たばこ煙が非喫煙者に有害であるとの公衆衛生当局の見解を伝える表示を掲げるようにするべきです。
日本における屋内の喫煙制限は、より改善できる分野があるのではないかと考えております。このためには政府によって明確に定義された政策が必要であると考えておりますし、そのような規制を確立するためにステークホルダーの皆様とともに協力していきたいと考えております。
次に、貴審議会で取り上げられております上記の問題に加えまして、公衆衛生上の観点ならびに私どもの事業にとりまして重要と考えられる問題についてお話しいたします。
たばこ税の問題についてです。
政府はしばしば、たばこの消費を減らし同時に税収を確保するためにたばこ税政策を利用します。以前行われた貴審議会のセッションでもたばこ税について討議があったかと思います。たばこ規制枠組み条約でも次のように記されております。「価格と税金政策は、たばこ消費を削減する効果的で重要な方法である。」
私どもは、公衆衛生上の政策に沿った租税政策を支持いたします。たとえば、たばこ消費を削減することを意図した税引き上げには反対いたしません。しかし、そのような引き上げはなだらかなものであり、好ましくない結果を避けるように構築されているべきです。また、実質的な禁止となるような額であるべきでないと考えます。
EU諸国での最近の経験では、かなりのたばこ税増税による価格上昇によって、意図しない悪影響がもたらされ、これが公衆衛生上、さらには歳入上の目的にもダメージを与えかねない状況になっています。これらの国々では、多くの消費者が禁煙する代わりに、低価格たばこや、偽造品を含む非合法製品などの安い製品に移行しました。
たとえば、私の母国イギリスにおける1990年代のたばこ税政策は、インフレ率を上回る急激なたばこ税増税に基づいていました。この増税の目的はたばこ消費を削減することでありましたが、数年後、結果として消費の削減が見られたのは、市場のわずか一部、税払い済みの高価格帯たばこであり、低価格たばこ、手巻きたばこ、また偽造品を含む非合法製品の消費は増加しました。
政府はまた、禁煙する代わりに安い製品に移行する消費者のことを考慮する必要があります。 事実、EUのいくつかの国々では、最低価格の概念を導入しました。最低価格とは、設定された価格を下回る価格でたばこを販売してはならないというシステムです。アイルランド、イタリア、フランス、ベルギーなどの国々で導入されています。
ベルギー政府が述べているように、「最低価格の導入により、政府は、欧州連合、世界保健機関、そして世界銀行が推奨する方策を実施しており、これらの機関が、価格政策は、たばこ対策の観点から最も効果的な措置であると結論づけています」。
諸外国の経験に基づきますと、市場を混乱させうる急激な税の引き上げを採用するよりも、計画的でなだらかな、予測可能な増税を通して、日本政府はその財政および公衆衛生上の目的を達成することができると考えております。
そしてそのような税引き上げは、消費者に禁煙を促すとともに、消費者が非合法製品を含む安い製品に移行することを防ぐために、最低価格のようなメカニズムとともに実施されるのが適切であると考えております。
さて、これまで貴審議会で取り組まれておりますたばこ関連のいくつかの問題について、私どもの見解を説明させていただきました。それらは、人々の認識を高めること、禁煙支援、未成年者の喫煙を防止すること、そして公共の場での喫煙規制であります。これら4つの取り組みはまた、世界各国の公衆衛生機関が焦点としている事柄と一致するものです。
しかしながら、このプレゼンテーションを締めくくる前に、国際機関で認識が高まりつつある、もうひとつの新たなトピックについて触れたいと存じます。
それは、喫煙者が曝されるたばこ煙中の有害物質を減らし、そしてたばこ関連の病気にかかるリスクを減らす可能性のある製品の開発とマーケティングについてであります。
私どもを含む、多くの会社がそのような製品の開発に取り組んでおります。私どもは、政府がこのような製品の規制ならびに製品コミュニケーションの定義に関して重要な役割を担っていると考えます。このような製品の規制については、世界保健機関やいくつかの国々で現在議論されているところであります。たとえば、米国議会に最近提案されたのが、リスク改良したたばこ製品に関する規制上の枠組みです。この提案は、まだ議会を通過しておりませんが、貴審議会で参考にしていただける興味深い例ではないかと存じます。
喫煙によって引き起こされる害は、協調を通じて、すべての関係者が害を低減させるという共通のゴールに向かっていくことで最も効果的に取り組むことができると、私どもフィリップモリスは強く信じております。私ども全員にとっての課題は、共通の基盤を見出し、これを認識することであります。そうすることで、皆様方の公衆衛生上の目的の達成をサポートし、また、私どものビジネスに予測可能性をもたらす、包括的な規制の枠組みの策定に取り組んでいけるものと考えております。
これで私のプレゼンテーションを終わらせていただきますが、ご質問などありましたらお知らせください。本日はまことにありがとうございました。
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