フィリップ モリスは包括的たばこ規制を支持しますⅡ(和訳)

厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会                                                       フィリップ モリス ジャパン株式会社                                                              コーポレート・アフェアーズ ディレクター                                                           ピーター ニクソン

2006年03月02日

 

おはようございます。まず初めに、再び私どもフィリップ モリス ジャパンの見解をお話しする機会をいただき、誠にありがとうございます。貴審議会での会議は、公衆衛生機関と私どもが対話を促進していくための重要なステップであり、大変貴重な機会であると考えています。

さて、これから本日の会議における3つのトピック、①喫煙率の削減、②未成年者の喫煙防止、③たばこ税についてお話しします。

昨年の貴審議会では、弊社が包括的たばこ規制の枠組みを支持すること、そして公衆衛生当局と共通の基盤を持つ多くの分野についてご説明いたしました。これらは本日お話しするトピック全般にわたる共通のテーマです。

まず、喫煙率を減少させるために数値目標を設定するというトピックに関してお話ししたいと思います。

弊社は、政府が喫煙者に禁煙を促し、そしてそれをサポートしていくことは適切なことであると考えています。しかし、特定の数値目標の設定については、政府が決定するべきことであると考えます。弊社は、目標値についてではなく、規制によっていかにして喫煙率を減少させていくことができるかという点に焦点をあてたいと思います。

喫煙率削減という目標に向けてたばこ規制をどのように推進していくのかを考慮される際、包括的なアプローチで取り組んでいただくことを貴審議会にお願いしたいと存じます。このようなアプローチでは、たばこ使用による健康への影響に関する情報提供、未成年者の喫煙防止、公共の場所での喫煙規制、製品規制ならびに租税政策など、さまざまな要素が考慮されるべきです。包括的な規制上の枠組みにより、たばこによる害を減少させるという公衆衛生上の目的を達成できると考えますし、弊社はその目的を支持しています。また、包括的規制の枠組みでは、すべてのたばこ製品が同一に取り扱われ、事業の予測可能性がもたらされるものと考えます。たばこ製品の製造・販売・流通、また包装上の要件、たばこ製品に関する情報の内容について、明確な指針を確立するために政府が利用できる規制上の措置が多くあります。そのような措置に関する私どもの考えの詳細についても、今後お話しできればと考えています。

弊社は、貴審議会と協力してこのような分野での規制の可能性について話し合っていきたいと考えています。ともに取り組むことにより、お互いの経験や知識を生かして、政府および業界がたばこ製品の適切な規制上の枠組みを策定できると考えます。

さて、次に未成年者の喫煙問題についてお話しします。

この問題に関して、私どもフィリップ モリスは皆様方と同じ懸念を持っています。私どもは子どもに喫煙してほしくありません。また病気を引き起こす製品を製造するものとして、私どもには子どもの喫煙を防ぐために果たすべき役割があり、これに努める所存です。

最も直接的で効果的な解決策のひとつは、アクセス防止を強化して子どもがたばこを購入できないようにすることであり、たばこ会社、販売店がともに協力して効果的なアクセス防止が実施されるよう取り組んでいるところです。

成人識別の技術が自動販売機に導入されることにより、自動販売機でのアクセス防止という側面は2008年に改善されます。業界全体で多大な資金・資源を投入して、未成年者が自動販売機からたばこを購入しないよう、できる限りのことを行っています。未成年者が自動販売機でたばこを購入できなくなるにつれ、店頭でのたばこ購入防止に引き続き注力していく必要があります。

未成年者へのたばこ製品販売を禁止する法律がある場合、非常に重要なことは、その実効性と制裁措置です。それ相当の罰金が課せられ、度重なる違反にはたばこ製品販売のライセンスを失うこともあるということを販売店が理解すれば、法令順守は強化されることになるでしょう。

政府には、現行の未成年者喫煙禁止法の強化と、さらにさまざまな監視と法執行のメカニズムの実施を考慮されますことを強く要望します。私どもの世界各国での経験から申し上げますと、強力な法執行と販売店の広範な参加が一体となることが、未成年者の喫煙を減らす最も効果的な手段のひとつなのです。

アクセス防止のみがこの問題を解決できるとは考えていません。未成年者の喫煙を減らすためには、親、医療関係者、法執行機関、教育者、販売店、政府そしてたばこ会社など、社会の多くの関係者による共同の取り組みが必要です。

政府による未成年者喫煙防止策において、中核となるべき要素は教育です。子どもは喫煙のリスクを教育され、喫煙を始めないよう促されるべきです。現在、喫煙防止のための教育が日本の学校で義務付けられていることは歓迎すべきことですし、子どものための他の組織、たとえば塾、スポーツクラブなどでもこういった教育プログラムがより広範に展開されることが望ましいと考えます。たばこ業界では、未成年者にたばこを吸わないよう呼びかけるキャンペーンを実施し、このような取り組みに参画しています。

子どもたちにとって影響力のある人々、例えば、親、教師またロールモデルといった人々にも重要な役割があると考えます。このような役割を担う人々は、子どもが喫煙のような危険な行為を避ける、また行わないよう手助けできるように、適切な訓練と援助を受けるべきです。

最近の厚生労働省の調査によると、未成年者の喫煙率が過去4年間下がっているという心強い事実が示されています。しかしながら、未成年者に対し、たばこ問題への教育や認識を改善していくために行えること、また行うべきことは、まだたくさんあります。この問題に取り組むため、弊社は貴審議会と協力してさらに適切な解決策を見出していくことを望んでいます。

さて、本日の3つ目のトピック、たばこ税について、お話ししたいと思います。

あらゆるたばこ規制政策において重要となるのは、一貫性のある長期的な枠組みに基づいた租税政策です。

長期的な枠組みは、税収を確保するための政府戦略の基盤となると同時に、たばこ消費の削減という貴審議会の目標にも合致するものです。これは世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約(FCTC)が掲げている目標の一つでもあり、同条約では「価格と租税政策はたばこの消費を削減するための効果的かつ重要な手段である」と述べています。

租税政策は、たばこを規制するための政府の包括的なプログラムにおける重要な要素の一つとなるべきであると弊社は考えます。そして、そのような政策では、増税、紙巻たばこ以外のたばこ製品の税率、増税が密輸に及ぼす影響の可能性、租税政策が喫煙者に低価格の紙巻たばこやより安い形のたばこ製品への乗り換えを促してしまう可能性など、様々な面を考慮に入れ、総体的にみる必要があります。

また、たばこ規制政策の目的を達成するためには、たばこ製品に課す税の仕組みや税率に加え、価格政策などの補完的な政策も考慮に入れることが必要です。弊社は今後、こうした点について政府と話し合っていければと考えています。

税の引き上げ幅やその頻度を決めるのは政府の役割ではありますが、是非、貴審議会には、意図しない結果を招くような急激な引き上げではなく、長期間にわたった緩やかな引き上げという考え方をご検討いただきたいと思います。

こうした税の引き上げは論理的な算出方法に基づくと共に、インフレ率や可処分所得の増加に連動する必要があるでしょう。インフレや可処分所得の増加に伴いたばこが割安とならないようにするためです。そうすることで、たばこに課せられる実質的な税負担を保持すると同時に、一回の大幅な増税が誘発しかねない安いたばこ、あるいは税不払いのたばこへの需要の移行を防ぐことができます。

また、引き上げられたたばこ税の一部を、たとえばたばこファンドに配分する仕組みを取り入れることもできるのではないかと考えます。このたばこファンドを、未成年者の喫煙防止教育や喫煙防止の強化、あるいは喫煙が健康に及ぼす影響についての啓発キャンペーンなど、公衆衛生上の重要な取り組みの費用に充てることができます。

明確に規定された、緩やかで予測可能な増税を想定した長期的な租税政策をとることによって、政府はたばこの消費を削減するための長期戦略にたばこ税を組み込むことができます。また、たばこ業界には見通し可能な安定した事業環境がもたらされます。

大事なのは、着実で緩やかな、予め規定された増税は、急激な増税がもたらす想定外の影響を避けることができるということです。一回の大幅な増税は、市場を混乱させ、競合や消費者の行動にゆがみを生じさせかねません。

他の国々の経験から、意図に反した望ましくない結果を避ける方策についての重要な指針を得ることができます。例えばEU諸国のいくつかでは、急激な増税が多くの喫煙者に、ただ高価格帯のたばこ製品から低価格帯のたばこ製品や代替品、偽造品などの非合法製品といった安い製品への乗り換えを促す結果となりました。

昨年11月の貴審議会でお話しさせていただいたとき、たばこの偽造品と密輸品が税関と法の強化という大きな問題へと発展したイギリスの例を挙げました。イギリス政府は2000年、市場に出回っている製品の20%以上が密輸製品であると推計しました。英原文のままで恐縮ですが、この報告書を参考資料としてお手元にお配りしています。イギリス政府はこの報告書で「密輸は政府の税収に損失を与えるだけでなく、規制下にない供給元から安いたばこが提供されることで健康政策における目標達成の進展をも台無しにする」と述べています。その結果、イギリスは2001年以降、増税率をインフレ率に沿ったものとなるように引き下げました。WHOの報告書によると、2001年以来たばこの密輸は一定水準に留まり、10年ぶりに増加がとまった結果、政府の税収は増大しました。

現在日本ではたばこの偽造や密輸は大きな問題とはなっていませんが、こうした問題が起こらないよう、今後増税を計画していく上で考慮していかなくてはならないと考えます。

また、不法取引の影響に加え、急激な増税は、小売業への打撃、業界内での失業、たばこ農家への影響などの好ましくない結果を招く可能性もあります。

弊社は、増税に応じて、正規のたばこ製造業者が適切な価格政策によって事業を維持できるようにすることも重要であると考えます。弊社はこうした考えの下、定期的で緩やかな増税を全面的に支持します。政府がたばこ消費の削減を望んでいることを理解しており、また私どもも、引き続き事業として存続していく必要があるためです。

たばこ製品の製造、販売において適正なコンンプライアンス基準に適合すべく投資し、また、製品の品質維持および喫煙のリスクを低減する可能性のある革新的な製品の開発に必要な研究開発投資を行うことができ、また進んでそれらを行おうとする責任あるたばこ業界を、促進し維持することは、政府および社会の利益に則することになると考えます。

研究開発は、弊社にとって、また公衆衛生機関ならびに消費者の方々にとって重要なことです。前回の審議会でお話ししましたが、私どもを含む多くの会社が病気のリスクを減らす可能性のあるたばこ製品の開発に取り組んでいます。

たばこが引き起こす病気のリスクを減らす最善の方法は、喫煙しないこと、喫煙者にとっては禁煙することであるという考えに同意いたしますし、改良された製品の販売は、たばこ消費を減らすという公衆衛生上の正当な目標を妨げるべきではないと考えています。しかしながら、弊社は、他の機関なども述べているように、製品改良によってたばこ使用の害を低減していくことは重要な目標のひとつであると信じていますし、またそれを追求しています。

たばこ煙への曝露を減らす製品の開発・マーケティングには、客観的で厳格な科学的評価、成人喫煙者にコミュニケーションする際の責任ある方法、市場流通後の管理監督が必要となります。これら要件のそれぞれに関して、公衆衛生機関およびステークホルダーからの意見やアドバイスに基づいて策定される政府規制が、たばこ会社に対する指針・規則を規定できます。たばこ規制においてもこの側面での規制の重要性が高まっていることから、さらに詳細について貴審議会と話し合う機会を設けさせていただければ幸いです。

皆様の関心事項のすべてに適切にお応えできたかどうかわかりませんが、本日、このようなお時間をいただきましたことに重ねてお礼申し上げます。喫煙によって引き起こされる害の問題は、その低減という共通の目標に向かって、すべての関係者が協調することにより、最も効果的に取り組むことができると確信しています。

私たち全員にとっての課題は、まず共通の基盤を見出し、これを認識することであります。そうすることで、皆様方の公衆衛生上の目的の達成をサポートし、また、私どものビジネスに予測可能性をもたらす、包括的な規制の枠組みの策定に取り組んでいけるものと考えております。

本日は誠にありがとうございました。

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