店頭での陳列の禁止

販売店で製品を陳列することは、商売を営む上で最も基本的な要素のひとつです。 製品を陳列することにより、製造業者および小売業者は消費者にその店舗で何が購入可能なのかを示すことができます。 また、陳列により消費者は市場に新製品が投入されたことを知ることができます。

公衆衛生の提唱団体は、販売店でのたばこ製品の陳列を禁止するよう求めています。 アイスランド、アイルランド、ノルウェー、英国、カナダの一部の州、オーストラリアの一部の州は、この提言に従い陳列を禁止する法律を成立させました。 これらの法律の目的は、未成年者の喫煙および一般の喫煙率を削減することであると表明されています。 さらには、たばこ規制枠組み条約(FCTC)の締約国会議(COP)でも、たばこ製品の販売店での陳列を禁止することを推奨しています。

未成年者の喫煙や全体の喫煙率の削減に対する陳列禁止の効果のほどは、実証されていません。 2006年にカナダ保健省は、陳列の禁止による公衆衛生上の効果について「いまだ推論の域を出ない」と述べています。[1] 2007年には、ノルウェー政府が陳列禁止を支持する報告の中で、「公共の場での陳列を禁止することで喫煙人口に与えると思われる影響を明白に示す科学的研究は未だ存在しない」と述べています。[2] また2008年、英国保健省は、陳列禁止に公衆衛生上の利点があるかどうか「結論は出ていない」としており、未成年者の喫煙への影響についても「陳列禁止の完全な評価は未だ行われていない」と述べています。 [3] しかしながら、カナダ、ノルウェー、英国の各政府は陳列を禁止する法律を支持しました。

当社の見解

フィリップ モリス インターナショナル(PMI)は、たばこ製品の販売店での陳列を禁止することには反対です。 陳列の禁止は市場競争を妨げ、多大なコストとその他の負担を小売業者に課し、価格競争(および安い紙巻たばこ)を促すとともに、たばこ製品の不法取引 を助長します。 未成年者の喫煙防止 という目的は支持しますが、陳列の禁止を実施している国からは、未成年者の喫煙率が低減するという証拠は示されていません。 未成年者の喫煙を防止するには、最低年齢法の厳格な執行や教育プログラムなど、効果が実証されている措置があります。 陳列の禁止は効果が期待できない不必要な措置です。

多くの国において、製品の陳列はたばこ会社に残されている数少ない競争手段の一つです。 陳列の禁止は、新ブランドの立ち上げや既存ブランドからの製品展開の実現を事実上不可能にします。また、市場ですでに確立されているブランド(および製造業者)が明らかに競争優位となり、市場への参入をうかがう製造業者に対して、公正を欠いた大きな不利益を課すことになります。 そしてその結果として、ブランド間競争に勝つための筆頭手段は、価格戦略となるでしょう。

価格競争の激化とそれに伴う価格の低下は、公衆衛生政策に反するものであり、未成年者の喫煙を削減するという目的を損なうおそれがあります。 さらには、たばこ製品を「カウンターの下」に移すことで、犯罪者が密輸品偽造品を正規の取引網の中に侵入させることをより容易にし、取締当局は違法たばこが販売されているかどうか、また、どこで販売されているのかを特定するのが困難になることは明らかです。

小売業にとっても陳列の禁止は、重大な負担およびコスト増となります。 カウンターの下にたばこ製品を保管し管理することは、店にとって時間も労力もかかることです。顧客を怒らせることもあるでしょうし、特に小規模店では、より複雑な販売環境に対応する余裕がある大型店に負けて売り上げが落ちてしまうことになります。

[1] カナダ保健省、たばこおよびたばこ関連製品の販売店における陳列・販売促進の規制の提案: 諮問文書(2006年)
[2] ノルウェー保健・ケアサービス省、店頭におけるたばこ製品の陳列禁止案、およびたばこ健康被害法と広告規制の一部変更に関する公聴会(2007年、ノルウェーにおける諮問)
[3] たばこ規制の今後に関する英国保健省の諮問(2008年)