共有スペースのたばこのにおいを減らすために

川崎重工業株式会社様
kawasaki-industries-cover

本社の成功事例を全国の事業所に波及させたい

JR神戸駅前に位置する川崎重工業株式会社の本社では、ビルのエレベーターホールに喫煙室が隣接することから、長年たばこのにおいの問題に悩まされてきた。そこで取組んだのが、加熱式たばこ専用室の設置だったという。環境改善を見据えた地道な活動は今花を咲かせ、同社の各事業所からも関心が寄せられている。

エレベーターを降りた瞬間、たばこのにおいが…

従業員や来訪者は、ビルのエレベーターホールに喫煙室が隣接することから、長年たばこのにおいの問題に悩まされていた。

川崎重工業・本社オフィスに設置されている加熱式たばこ専用室は、エレベーターホールの一画にある。かつてここは紙巻たばこが吸える喫煙室だった。従業員や来訪者は、エレベーターの扉が開くと、まず最初にたばこの煙が充満する光景を目にした。同社・総務課長の河内信哉さんは「特に問題だったのが、たばこのにおいでした」と語る。「ビルの構造や空調の関係で、においがどうしてもエレベーターホールのほうに流れてしまう傾向があり、風が強い日などは特にそれが顕著になるのです。エレベーターを降りた瞬間、たばこのにおいを感じ、不快感を覚える人も少なくなかったと思います。吸う人にとっても不利益にならない範囲で、いかにこの環境を改善できるか。フィリップモリスさんにも相談しながら模索した結果、加熱式たばこ専用室を設置するという今に辿り着きました」

加熱式たばこへの切替えが解決の鍵に

従業員喫煙者の50%以上が加熱式たばこに切替えたら加熱式たばこ専用室を設置するという目標を立てた。啓蒙・推進活動が実り、見込みよりも早い段階で加熱式たばこユーザーが50%を突破した。

プロジェクトを立ち上げたのは、今から3年前のこと。当時本社に勤務していた従業員約500名のうち、喫煙者は70名ほどいたが、そのほとんどが紙巻たばこユーザーだった。いきなり加熱式たばこ専用室に切替えてしまうと、喫煙者の一部から反発も予想される。そのため喫煙者の50%以上が加熱式たばこへ切替えたら加熱式たばこ専用室を設置するという目標を立てたという。

「年に1度の健康診断で保健師に協力していただき、誰がどんな銘柄を吸っているのか、紙巻たばこと加熱式たばこの割合などを割り出し、総務部でデータを徹底管理しました。さらにフィリップモリスさんにも協力していただき、加熱式たばこの販売会や、その場で試し吸いができる体験会などを何度も繰り返し開催しました」

当時は加熱式たばこが発売された直後で、実際に紙巻たばこから加熱式に切替えた従業員からの「家に帰っても臭いといわれなくなった」「ベランダで吸ってもにおわない」という実体験の感想は紙巻たばこユーザーに大きな影響を与えたという。そしてこうした地道な啓蒙・推進活動が実り、当初の見込みよりも早い段階で加熱式たばこユーザーが50%を突破。加熱式たばこ専用室へのスムーズな切替えが可能となった。

においのない清潔な空間に生まれ変わった

加熱式たばこ専用室を設置後、換気扇の調整やアロマの香りを拡散するフレグランスライトなどを設置。内装も白くクリーンな印象に生まれ変わり、来訪者の間でも評判の場所となった。

加熱式たばこ専用室を設置するにあたり最もこだわったのは、言うまでもなくにおいがエレベーターホールのほうに流れないようにすることだった。「確かにたばこのにおい自体は軽減されますが、扉の開け閉めによって、やはりどうしても多少は漏れてしまいます。そのため風の流れも測定していただき、数値をきちんと出したうえで綿密に設計していただきました」

その他、換気扇の調整や、アロマの香りを効果的に拡散するフレグランスライトの設置により、においの問題は大幅に改善された。さらに内装も劇的に変化。25年前に設置された従来の喫煙室は、毎日の喫煙によって壁から天井に至るまで、ひどく黄ばんでいたが、全面を真っ白く張り替えたことで見違えるほどクリーンな印象に生まれ変わった。新しいテーブルやスツールなども用意し、すっかり落ち着ける空間となり、加熱式たばこユーザーである河内さん自身も、その変わり様に最初は大変驚いたそうだ。

日々評判や関心が高まる

2020年3月に加熱式たばこ専用室に切替えて以降、たばこのにおいに関するクレームはほぼなくなった。逆に「においがまったく気にならなくなった」、「アロマのいい匂いがするね」といったポジティブな反応が増え、そうした声は総務部だけでなく、ビルの清掃・クリーニング・衛生管理などを担い、今回の取組みにも携わった川重サービス株式会社・冨田達志さんの耳にも届いているという。「加熱式たばこ専用室の内部はもちろんのこと、エレベーターホールに至るまで、その効果は以前と比較すれば段違いです。本当にやって良かったと思っています」

また本社オフィスには全国の各事業所の従業員が毎日打ち合わせ等で数多く訪れるが、最近ではそうした来訪者の間でも評判になっており、「これが噂の加熱式たばこ専用室か」、「ぜひ見学させてほしい」など、日増しに関心が高まっているという。

従業員全員が自由に使える空間にしたい

新たな憩いの場として生まれ変わった加熱式たばこ専用室は今後この部屋を、吸う人も吸わない人も一緒に打ち合わせや立ち話ができるような、従業員500名が自由に使える空間にしていきたいと考えていて、さらに長期的なビジョンとしては、この取組みを全国の事業所に展開させて喫煙環境を整えていくことも視野にいれているという。「弊社は製造業ということもあって、工場などの現場で働く従業員がたくさんいます。やはり喫煙率は現場のほうが高い傾向にあり、例えば4,000名の従業員が働く神戸工場では、加熱式たばこへの切替えがとても多かったと聞いています。しかし本社以外はまだ加熱式たばこ専用室は導入されていません。もともと弊社には、良いものは積極的に取り入れるという社風がありますので、今回の本社の取組みが各事業所に少しずつ波及していけばいいなと考えています」(河内さん)本社の成功事例を参考にした新たな取組みが、全国規模で広まっていくのもそう遠い話ではないだろう。

川崎重工業株式会社

本社所在地

神戸本社:
神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号
(神戸クリスタルタワー)
東京本社:
東京都港区海岸1丁目14-5

設立年月日

1896年10月15日

連結従業員数

36,332人(2020年3月31日現在)

連結売上高

1,641,335百万円(2020年3月期)

従業員用加熱式たばこ専用室

1ヶ所のみ

法人向けソリューションのお問い合わせ

喫煙対策に関心をお持ちのご担当者様、まずはお気軽にご相談ください。
*法人向けソリューション以外のお問い合わせについては、本窓口ではお受けしておりません。

お問い合わせ